ごあいさつ

 かけはしでは、約20年前から、チェルノブイリの環境をどうやったら、少しでも自然の力を取り戻す事ができるか、試行錯誤してきました。
 「放射能を吸着させる物質や薬は世界中からやってくるが、薬物が強すぎて、除染したあと、その土地が使えなくなる。すばらしいデータがあっても現場では効果がなかったり使えない物が多かった」と科学アカデミーの方がおっしゃっていました。
自然由来のものーというのが、私たちに与えられた課題でした。

 さまざまな取り組みの中で、人間の抵抗力をあげるものを探していた時に、「家畜の抵抗力が上がる」という評判だったのがEM菌でした。
 そして、EM菌は80数種類含まれる微生物の中の光合成細菌というものが放射能を吸着させる性質があることがだんたんわかってきました。
 しかし、光合成細菌だけを培養するのは難しく、また環境中で増殖するのも難しい。
たくさんの微生物といっしょに培養するという、ひと手間を乗り越えなければ、そのメリットを享受できない。そんな面倒臭さもあります。
 昔は、微生物が放射能を吸着するなんて、ばかばかしいと、言われましたが、今年、チェルノブイリ原発で放射能のエネルギーを自分の増殖に使う微生物がみつかりました。
私たちは絶対に、放射能汚染に負けたくない。大型の除染作業は国のする仕事。でも、自分の周囲を少しでも良くする事ができるなら取り組みたいと思います。

 漬け物名人がつくった漬け物がおいしいように、EM菌の培養にもうまいへたがあります。
名人は、とにかくていねいに、愛情をもって、食べる人の喜ぶ顔を思い浮かべてつくります。
放射能による酸化環境から、抗酸化環境へ、蘇生型の環境へ、人間の手でできる事は何でも取り組むときがきています。
 
 もちろん、EM菌だけでなく、新しいいろんな役立ちものが出てくるでしょう。なんでも、かんでも試して取り組みたい!たった一条の光でも、みつかったら、人類の幸福のための大発見です。
 子ども達のために、絶対にあきらめられないから。